ダイバーシティ推進委員会
ダイバーシティ推進委員会は、2019年に「男女共同参画委員会」から改称され、以降、多様性の理解促進と包摂的な環境づくりを目指して継続的に活動を行ってまいりました。
JUA Future Vision 2018では、ダイバーシティ推進の観点から「ポジティブアクションの採用」が提言され、これを受けて当委員会からは、女性理事の推薦や女性代議員の選出、学術集会における女性座長・シンポジストの登用促進を要望してきました。その成果として、2023年には2名の女性理事が選出され、2024年の代議員選挙では19名分の女性枠が新たに設けられました。また、学術集会における女性座長の比率も年々増加し、近年では3%を超えるまでに至っています。
女性医師の入会数も着実に増加しており、2019年以降、新たに350名の女性医師が学会に入会しました。これにより、2013年には全体の5.4%(447名)であった女性泌尿器科医が、2024年12月末時点で9.7%(976名)にまで増加しています。年代別にみると、50歳代では5.8%、40歳代で13.4%、30歳代で16.1%、20歳代では19.1%と、若年層ほど女性医師の比率が高く、今後さらなる増加が期待されます。
多様性の真の効果を引き出すためには、単なる構成比の改善にとどまらず、個々の背景や価値観を尊重し合える職場・学会文化の醸成が不可欠です。米国の研究では、女性比率が30%を超えることで男女の業績が同等になることが示されており、実効的なダイバーシティの実現には「比率」と「文化」の両面からのアプローチが求められます。
また、2024年から医師の働き方改革が施行されたことにより、女性医師や若手医師のキャリア支援、ライフイベントに応じた柔軟な働き方への対応も喫緊の課題となっています。当委員会では、こうした現状に対応するための情報発信や支援体制の整備に注力し、多様な人材がその能力を最大限に発揮できる環境づくりを進めてまいります。
今後もD&I(Diversity & Inclusion)ならびにEquity(公平性)の視点を重視し、すべての会員にとって開かれた、活力ある学会の実現に向けて、ダイバーシティ推進の取り組みを一層強化してまいります。
委員長 大野芳正(東京医科大学教授)