ご支援ありがとうございます。 投稿者:折笠一彦(気仙沼市立病院) 投稿日:2011/04/14(Thu) 17:52 No.21 日本泌尿器科学会会員の皆様。
この度の震災に際し、多くの方から心配していただき、多くの大学、医療関係者の応援をいただきありがとうございます。 震災から1ヶ月が経過し、この間の気仙沼市立病院の状況につきご報告致します。 震災当日は病院下まで津波が押し寄せ、夜には火災で火の海となりました。一時火災がガスタンク近くまで迫り、病院からの全員退去寸前までいきましたが、なんとか消火されました。病院は高台にありますので津波の影響はなく、一部に亀裂や水漏れがありましたが、倒壊はしてません。震災当日の救急患者はがれきの下からの救助される者は少なく、津波でずぶぬれになり、低体温で運ばれてくる方や、泥やガソリンまじりの水を飲み込んだり、全身傷だらけになって運ばれてくる患者でいっぱいになりました。救助された方のお話を聞くと、あちこちから助けを求める声が聞こえていたそうですが、暗闇でみえず、水も引かず助ける手段が無かったそうです。夜はかなり冷え込んだため、水に濡れたままで朝まで持ちこたえることは難しかったと思われます。翌日より東北大学からの応援を初め、東京DMAT(災害時派遣医療チーム)その後、帝京大、日大、慶応、藤田保健衛生大、埼玉医大、旭川医大、兵庫県、愛知県医師会など様々なチームが来られ、主にそれぞれ避難所で医療活動をして頂き、当院の医師の負担がかなり軽減されたと思います。 当院の透析患者は約180名おりましたが、2,3名を除いてほとんどが無事でした。志津川、本吉、陸前高田の透析施設が崩壊し、患者を受け入れました。東北大学血液浄化部の宮崎先生のご尽力もあり、透析患者約80名を北海道へ、また東京DMATにより千葉方面へ8名避難させることが出来ました。その他、山形、秋田、岩手県でも避難を受け入れていただきありがたく思っております。現在は当地を離れたくないという患者約70名が透析を継続しております。重油を優先的に当院へ配給していただき自家発電でがんばっておりましたが、発電機がオーバーヒート寸前となった1週間目に電力が復旧しました。一時肺炎患者が増加し、呼吸器科、内科、外科で分担して診療しましたが、落ち着いてきたようです。調剤薬局もかなりの被害があり、震災後は全て院内処方となり1000件を超えましたが、4/4より院外薬局が再開となり現在は約90%が院外処方となっております。これに伴い化学療法が再開となりました。外科も定期手術が再開となりました。日当直も通常よりやや多い程度となり、通常体制となりました。泌尿器科病棟では当初、クラッシュ症候群も見られましたが、最近では避難所や介護施設で脱水により急性腎不全となる80~90代の老人男女が6, 7人入院があり、点滴治療しております。その他、急性腎盂腎炎や透析患者など20名程度入院管理しております。当科でも来週より小手術から開始する予定で、震災前に手術予定だった方も外来に来られるようになり、予定を組み直している状態です。外来診療では県外に避難される方に治療依頼の紹介状を書いております。外来に来られる方でも半数近くで家や車が流失し、避難所生活の方も多く、慰める言葉がありません。カテーテル管理の患者様は震災後約半数が交換にきておりますが、その他は連絡がとれません。避難所で応援医療チームによりカテーテル交換をして頂いていると聞いております。当院にはカテーテル、消毒液、ストーマ用具は充分にあります。 院外の状況では避難所や在宅の要介護・要支援者の褥瘡が悪化しているそうです。医師会、ケアマネージャー、訪問看護ステーションが在宅患者救済のため「気仙沼巡回療養支援隊」を立ち上げ活動を開始しています。15床の福祉避難所が立ち上がり、在宅・避難所ではケアが難しい方を集団的に医療介護する体制が開始されました。 各避難所で医療チームががんばっておられ、入院が必要と判断された患者様が選択されて救急車で搬送されて来ているようです。 仮設住宅に入るにはまだまだ時間がかかるようですが、一日も早く避難所から出られることを願うばかりです。 |
【その他】心から応援しています 投稿者:前田佳子 東京女子医科学青山病院 投稿日:2011/04/13(Wed) 13:46 No.20 被災地先生方、現状をご報告いただき有難うございました。
メディアによる報道を目にするだけでも、その惨状には胸が痛くなります。そして先週くらいからはまた大きな余震が増えてきており、不安が軽減することなく続いています。現地で医療を継続している先生方は、関東の人間が想像しているよりもはるかに辛い毎日ではないかと思います。 同じ医療人として何かお手伝いできればという気持ちはありますが、現実には日々の診療を休んで応援に行くことは出来ません。遠くからでも支援できるすべがあるようでしたら教えていただければと思います。 まだまだ復興には時間がかかりますが、荒井陽一先生の「少しずつ着実に動き出しています」という言葉に明るい光を見たような気がいたします。 どうか皆様お体にお気をつけて。 前田佳子 |
気仙沼に救護班として参加して 投稿者:和田直樹 投稿日:2011/04/11(Mon) 14:17 No.19 東日本大地震・津波で亡くなられた方々に心よりご冥福をお祈りいたします。
旭川医科大学腎泌尿器外科の和田直樹と申します。今回旭川医科大学DMATの第4班として気仙沼での救護に参加させていただきました。本日で5日目で明日北海道に帰る予定です。 メディアでの放映や諸先生方の掲示板での内容をこちらに来て、真に実感しました。少しあいた時間を利用して被災地を見に行きましたが、口では言い表せないむごい状況でした。 救護班として参加させていただきましたので避難所やその付近に居住する避難者と接しているのですが、私たちには一見普通にみえるような態度で接してこられますが、多くの人が家族や家を失った人ばかりだと思うと、胸が痛みました。また子供たちは昼間は避難所となっているグランドなどで走り回り遊んでいる姿が見られ、なんだかほっとさせられますが、子供も内面にはいろいろな感情を抱えているのではないかなと思います。現在は避難所は徐々に慢性期に入りつつあります(まだ水道などが復旧していない地域もありますが)。こちらでは医師としてできることは限られており、可能な限り避難者の人と接することを心掛けてきました。明日北海道へ帰る予定ですが、何かさびしい気持ちもありますが、医療者としてだけでなく非常によい経験をさせていただきました。 災害本部でコーディネーター役の気仙沼市立病院のDRをはじめ、被災地のDr方にはご自身の健康にも十分気を付けて頂き頑張ってもらいたいと思います。Drを含め避難者の方々には本当に多くの苦難があると思いますが、少しずつ復興へ向かって歩み続けてほしいと思います。 |
山形より 投稿者:冨田善彦 投稿日:2011/04/06(Wed) 07:14 No.18 山形の状況
大震災から4週間が経とうとしています。青森、岩手、宮城、福島、茨城の、また余震も続くうえに、隣接県の支援に当たっている、秋田、新潟、栃木の先生方、本当にご苦労様です。すこし、山形の状況を通じてまとめてみます。 ざっと書いたので、誤字脱字、その他変な表現がありましたらご容赦願います。 1.病院機能の状況と課題 1)ライフライン (1)電力 今回の地震で、まず、東北電力の送電が停止し、さらに、自家発電設備の一部も一時的に停止しました。山形大学附属病院では、数年前から、電気の供給を3ルートに増やしていました。1.東北電力から、2.重油による発電、3.新潟からのパイプラインを使用した天然ガス発電。停電により、1が停止、2は稼働可能でしたが、重油の供給は仙台からなので、いずれ支障をきたすおそれあり、3.は大丈夫。それで、地震直後は病院への電力の供給を第一とし、研究棟についても、一時停止した3.の復活で4時間程度で通電可能になりました。 (2)水道 これについても、われわれは独自の給水設備を昨年設置しておりましたので、断水にはなりませんでしたが、大丈夫でした。 *ライフラインの独立性、ないしは多ルート化は病院にとって必須です。 2)医薬品・医療器材 先の、釜井先生のお話にもあったように、ここが大問題です。 震災直後の在庫確認の結果、薬品7日分(これは、当院の薬剤部長がきちんと管理していた結果すぐに正確な数字が出てきました。)医療器材は3日分(!)しかなく、多くの医療器材が仙台に本社のある業者からの納入だったので、めどが立たず、との結果でした。 これは、医療器材にかかる無駄(多すぎる在庫、不使用廃棄物品など)を省くために、SPDを導入し、行き過ぎた「効率第一」主義に従ってきたことが、一因でしょう。安い納入価格を強いられる業者に、社内在庫を持つ余裕はありません。個人的にはこういうシステムへ移行した際に、緊急時の対応ができるのか?という疑問を持ち、意見をだいぶ言ったのですが、「緊急時には仙台から駆けつけますから」と導入になった経緯がありました。ただし、私としても、これほどの災害(仙台の供給基地が完全に機能停止する)までは思っていませんでした。 こういう場合でも役に立つのは個人的なつながりと、融通でした。病院間でも器材のやり取りや、仙台外ルートを利用した物品の調達等が行われ、手術制限は4日間で解消され、金曜(18日)には一部の薬品、材料をのぞいて通常運用が可能になりました。 3)入院患者の食糧 震災直後より、栄養管理部が中心となり、当面の食糧を確保しました。山形は農業県ですので、その点も幸いしました。 *災害直後、少なくとも病院は1-2週間は独立に機能しなければならないはずです。医療は公共財であり、利益追求ではないので、安全コストがかかってもよいという社会のコンセンサスの醸造が必要。 3)スタッフ・職員の安全と働ける環境の整備 (1)安全 初動で行うべきことですが、これはクリアーしました。職員全員被害なし。放射線に関しては、福島医大のようにリアルモニターにはなっていませんが、独自に線量計を設置、定時の値は掲示し、職員がみられるようにしました。さらに、放射線障害の正確な知識について集会を通じて説明し、職員には安定化ヨウ素剤を配布しその使用法について、どういった段階で、どういうプロセスで服用のタイミングを知らせるかについて説明しました。 (2)働ける環境の整備 震災後に生じた、物流の停止は、特に、食料品、石油燃料の不足が問題でした。ガソリンの不足は極端で、ガソリンスタンドの待ちの列が数kmにおよびました。(現在は解消)職員の通勤は自家用車がほとんどでしたので、対応の必要がありました。そこで、タクシー活用による相乗り通勤、それも不可能な場合には、病院近隣の温泉旅館に10部屋確保し、相部屋での宿泊を可能としました。食料に関しては、医局に米の配給を行い、炊き出しができるシステムとしました。 *バスや鉄道といった公共交通機関は敬遠され、便利な、ひとりが車一台で通勤、買い物をするライフスタイルが原因でしょうか。結果、公共交通機関が貧弱になりますね。これは、病院での課題ではなく、社会(地方都市)全体での課題です。心理面でのマネージメントも必要です。不安心理が動く中での仕事ではパフォーマンスの低下は必至です。合併症の増加すれば、さらなる疲弊を招きます。堤先生のおっしゃるようにアドレナリンは枯渇します。バックアップの立ち位置は通常業務プラスアルファで粘り強く継続し、フロントラインで支えられない患者を受け入れる姿勢ですかね。それが必要と感じています。 また、医学部教授会でも、学会、研究会等、出来るうる限り、これまで通りの活動をする旨を全員で確認しました。 4)被災地域からの受け入れ(バックアップ) 現在、泌尿器科を含め、特に、宮城、福島からの患者を受け入れ、手術も行っています。荒井先生のコメントのように、急性期ではなく、がんなど、平常時に至急を要する患者に対する対応のニーズが高まっています。手術枠を含め、柔軟に対応できるよう、院内体制の整備を行っています。 2.まとめ 医療を行う病院は、特に、災害時に独立したユニットとして機能する必要があり、そのための硬性の機構構築が必要。ライフライン、ハードウエア、スタッフ、その生活環境(物品、精神衛生)に至るまで、平時の多少のコストを覚悟して考え直す必要がある。 ―以上― |
栃木県のバックアップ体制 投稿者:釜井隆男(獨協医科大学) 投稿日:2011/04/05(Tue) 21:58 No.17 この度の東北関東(東日本)大震災および原発事故で被災された方々に、心よりお見舞い申し上げます。
私は、4月1日付けで、先任の吉田謙一郎教授より当教室運営を引き継ぎました。この場をお借りして、私の知りうる栃木県の状況をご説明致したいと存じます。 日光連山に源を発し、関東平野を北から南へと流れ利根川に注ぐ鬼怒川の東西で状況はかなり異なっております。鬼怒川の東側が茨城県側・福島県側になります。 獨協医科大学は栃木県南部にあり、鬼怒川の西側になりますが、西側では建物の損傷は軽度から中等度未満といった状況で、目立ったケガ人はいないようでした。一方、鬼怒川の東側は、建物被害・山崩れ・崖崩れが目立ち、命を落とした方もいらっしゃいました。ライフラインも完全には復旧しておらず、避難生活を強いられている方も依然として多くいます。また、原発事故での放射線漏れの影響は、福島県・茨城県についで栃木県は大きく、農畜産業への影響は大きくなっております。 那須・大田原・県北東部から東部にかけての病院は器物破損が生じ、手術室がしばらく使えなかった病院も多々あったようです。現在、このような病院でも復旧がかなり進み、病院機能が回復してところがほとんどのようです。獨協医科大学では、大震災から2週間強は重油での自家発電で、なんとか業務を乗り切ることができました。しかし、東北自動車道および東北新幹線・JR宇都宮線・東武宇都宮線が回復するまで、物品供給のメドが立たずに、手術数の制限措置をとらざる負えなくなり、患者さまにご理解頂いておりました。現在は正常な病院機能運営を果たせておりますが、計画停電の影響もあり、しばらくの混乱・多忙さは続くものと覚悟致しております。 一方で、栃木県では、震災地区および被爆避難地区からかなりの患者さまおよび住民が避難生活を強いられています。当院も含め、栃木県では透析患者さまを積極的に受け入れております。また、紹介状を持つことさえ叶わずに、腎瘻カテーテルや尿管ステントが入った患者さま等、医学的処置を必要とする方が多数いらっしゃいます。先日も宇都宮市役所の担当の方と今後の計画を話し合っておりました。当院は、震災地区および被爆避難地区からの患者さまも積極的に受け入れており、先々週も30人以上の患者さまが自衛隊によって搬送されて来ました。また、風評もあるとは思いますが、上述の如く、栃木県は福島県や茨城県についで福島原発から漏れる放射線量が多い傾向にあり、KUB、IVP、CT等検査にて被爆量が加算されるのではないかと心配する患者さまもいます。 3点ほど気付いた事を述べたいと存じます。 1)山形大学の冨田教授と電話でお話しさせて頂いた際に、エネルギー(この場合は大学の自家発電に関してですが)は、バックアップが必要だとのご指摘がございました。当大学では重油のみでの自家発電ですが、今回のような大災害時には、その他の火力や水力・天然ガス等の複数の発電および電力供給を視野に入れたエネルギー確保問題を、病院として検討する必要があると考えます。 2)日立総合病院の堤雅一先生のご指摘にもありますように、各地域ごとで、ひとつの中核病院に全ての高度・先進機能を集約し過ぎることが、マイナス要因になることもあり得るという印象を受けております。 3)国の経済規模が伸び悩み縮小する中、医療の現場にも市場経済論理が深く浸透しており、ストック(倉庫管理)を極力減らす方向で動いていることは理解できます。当院でもモノによっては、手術関連のディスポ製品が1週間分しか在庫がないことが、震災直後に問題になりました。ガソリン等はもちろんですが、医療の現場でも物流が停滞する怖さを実感しておりました。 このような状況ではありますが、栃木県は甚大な被災地である福島・茨城両県と接しており、当大学では、青森、岩手、宮城、福島、茨城県に対する国の復興計画を推進する上での、前線医療施設としての役割を担う計画を立てております。震災の現場にいらっしゃる多数の被災者および医療人の方々のご心中やご苦労を鑑み、医療人・医療施設として少しでもお役に立つべく後方支援を行っていく所存です。震災被害者および不眠不休で国難に対応させている全ての方々が少しでも平穏を得られますよう、心からお祈りしております。 |
茨城県北、日立総合病院から 投稿者:堤雅一(日立総合病院) 投稿日:2011/04/05(Tue) 16:12 No.16 この度の大震災で被災された皆様には、心よりお見舞い申しあげます。
茨城県北地区も被災地ではありましたが、岩手、宮城、福島などに比べれば、かなりましな状態です。しかし、ライフラインの寸断はきわめて深刻でした。現在なんとか復旧し、3/28より正常の病院機能は復帰いたしました。けが人が全くいなかったことも不幸中の幸いでした。 震災による病院建屋の一部倒壊などもあり現在当院では560床から340床への減床を余儀なくされています。しかし減床の中で地域中核病院の役割を果たしていかねばならない責務と、100kmも離れているにも関わらず福島原発からの風評被害(若いDrが来たがらない等)で、じわじわとしたストレスがたまり始めています。また福島浜通り地区の泌尿器科事情が、行政区が違っているせいか全く入ってこないことが気がかりです。アドレナリンが枯渇しはじめたスタッフからも様々な不満が噴出しつつあり、震災急性期はもちろんですが、復興期がむしろ難しいことを切に感じております(ちなみに当院の泌尿器科医師は全員温厚なので大丈夫です)。たとえで言えば、難しい手術を何とかこなし、病棟で抜管も出来たものの、合併症の嵐で困っているような状況です。ただし、このような事が書ける余裕が出てきたことは事実で、まだその余裕すらない被災地の先生方の心痛を慮るばかりです。 当院は地域の災害拠点病院、救急指定病院、地域がんセンター等々が集約しています。多くの地方の中核病院はそうかと思いますが、このような大規模災害の時には、これらの機能が集約していると大変混乱します。少なくとも災害拠点病院とがんセンターは切り離したほうが良いのではと感じました。 |
【その他】防衛医大から 投稿者:浅野友彦(防衛医大) 投稿日:2011/04/04(Mon) 16:37 No.15 東北関東大震災、福島第一原発事故で被災された皆様、避難を余儀なくされている皆様に心からお見舞い申しあげます。掲示板を拝見し、想像を超える被害、困難を極める診療の状況であること、またそれに対して医療スタッフの皆様が日夜懸命に奮闘しておられることを理解いたしました。
埼玉県所沢市の防衛医科大学校病院は、地震の日は相当大きく揺れたようですが、実際の被害が出ることもなく、現在は節電に心がけてほぼ通常の診療を行っております。自衛隊の派遣と共に、医官も出動しており、4月からは防衛医大に勤務する専修医も2週間交替で被災地の医療支援に出動しております。多くの専修医が支援に派遣されることを熱望しており、頼もしく思います。 被災地で診療にあたっておられる医療スタッフの皆様方、厳しい状況ではありますが、体調など崩されぬようご自愛下さい。 |
【現状報告】茨城県の状況について 投稿者:西山博之 (筑波大学) 投稿日:2011/04/03(Sun) 09:38 No.14 泌尿器科学会の会員の皆様へ
陽春の候、皆様には益々ご清祥のこととお慶び申し上げます。また、この度の大震災で被災された皆様には、心よりお見舞い申しあげます。 私は、この4月1日に筑波大学大学院人間総合科学研究科腎泌尿器科学・男性機能科学分野教授として着任いたしました。そこで、筑波大学および茨城県の震災の状況についてご報告いたします。 この度の震災では、宮城・福島・岩手についで、茨城県も県北部を中心として大きな被害がありました。現在でも、震度3~4の余震がまだ結構続いている状況です。茨城県内のライフラインや基幹道路は、現在はほぼ復旧していますが、県北部を中心に避難所生活を余儀なくされている被災者の方々1100人程度おられます。また、福島県の原発問題は未だに終息の目途がたっておらず、福島県・茨城県の農産物・酪農品の出荷停止や風評被害が今後どこまで拡大するかも大きな懸念材料です。 医療への被害状況も茨城県北部と県央部ではかなり甚大であり、医療過疎が進む県北部では、病院施設への被害も大きく、まだ常態への復旧の目処が立っておりません。また、いわき市に勤務されている先生の中には、原発事故の影響もあり、まだ避難所生活を送られている先生もいらっしゃると伺っております。 筑波大学附属病院は地下水汲み上げの給水体制であった事が幸いし、県内の断水の影響を受けず、停電時も何とか自家発電で乗り切れたそうです。また、4月1日の段階では、一応辞令交付式もつつがなく開かれました。しかし、施設内は立ち入り禁止区域がまだあり、震災直後の壊滅的状態であった泌尿器科教官室と実験室の復旧はこれからという段階で、今も私の部屋の横からは工事の音が聞こえてきております。 岩手県、宮城県、福島県の先生方は茨城県以上の震災と伺っておりますので、御苦労が偲ばれます。茨城県の県北および県中の先生方も、一部ではライフラインの復旧が滞っている地域もあり、またまだ原発問題が終息しておらず、厳しい状況でございますが、お身体に気をつけてください。 最後になりましたが、東京方面のご施設からは、すでにご支援のご連絡を賜っており感謝申し上げます。今後、私も微力ながら、茨城県および筑波大の復興に尽力いたす所存ではあります。しかしながら、現状を鑑みると、まだまだ関東一円の先生方には何かと御世話になることも多いかと思います。 今後とも、何卒御協力の程、よろしくお願い申し上げます。 西山博之 筑波大学大学院人間総合科学研究科疾患制御医学専攻 腎泌尿器科学・男性機能科学分野 教授 〒305-8575 茨城県つくば市天王台1-1-1 TEL:029-853-3196 FAX:029-853-8854 E-mail:nishiuro@md.tsukuba.ac.jp |
その他 投稿者:塚本泰司 投稿日:2011/04/02(Sat) 12:02 No.13 東日本大地震・津波で亡くなられた方々に心よりご冥福をお祈りいたします。また、甚大な被害にあわれた方にもお見舞い申し上げます。
当初、大変な状況に直面されていた先生方の奮闘を思い浮かべ、このようなメールなどは差し控えておりましたが、藤岡教授、荒井教授、山口教授からのメッセージを拝見し、改めて我々にできることを着実に行うことを再確認いたしました。 現在、札幌医大病院も岩手県宮古市に医療チームを派遣し、お手伝いしております。たまたま今週のチームの医師は宮古市出身の当科の医師です。また、精神科医チームの近々気仙沼市で支援活動を開始する予定です。今後も当病院チームを要請の続く限り派遣し支援していくつもりです。 長期間の復旧になると思いますが、泌尿器科医の叡智、医師としての叡智を結集することで、この難局を乗り越えることができると確信しています。 "We can do it" |
現状報告 投稿者:星総合病院 亀岡 浩 投稿日:2011/04/01(Fri) 21:07 No.12 当院は3棟で構成されています。1棟はなんとかまぬがれましたが、2棟は損傷が強く使用不可となっています。
当日約320名の患者さんを階段から担架などで移送しましたが、けが人など出なかったことがとても幸運でした。移送には近隣の病院の救急車、運送屋さんのトラック、バスを手配いただきました。特に動けない患者さんにとって、トラックはベッドや車いすごと乗せることができ非常に有用でした。炊き出しなどいただき、翌朝までには終えることができました。移送先の病院も野戦病院のようで、患者さんにはフロアに毛布を敷いてお休みいただくという状況でした。 今後当院は、外来をプレハブで、給食や検査室を新設し、入院数は約半数となりますが、6月を目標に再建を始めています。近隣の病院も大きな被害を受けていますが、新築の生き延びた病院が、救急など地域医療を守ってくれています。当院からは医師の派遣によるお手伝いですが、なんとか早く復帰し、さらに貢献できればと思っています。 また、津波、原発事故による海沿いの地区から非難された人々が、内陸の郡山、会津に多くいらしています。でき得る医療はしていますが、今後どうなるのかのご不安がつよいようです。原発の早期の鎮静化を祈っております。 |
【その他】新潟県の現状報告 投稿者:高橋公太 投稿日:2011/04/01(Fri) 17:07 No.11 東北関東大震災の災害を被った皆様。東京電力福島第一原発事故により被害を受けられた方、さらに避難を余儀なくされた皆様方に心からお見舞い申しあげます。
新潟大学医歯学総合病院も新潟県と協力して後方支援をしております。大まかな第1報を報告させていただきます。 新潟県は、2004年新潟県中越地震、2007年新潟県中越沖地震の大地震を2回経験していましたので、災害救助法に基づいて新潟県知事の指示により新潟県災害対策本部、健康福祉部、新潟大学医歯学総合病院、および県立病院は一丸となって受け入れ体制を速やかに構築しました。 地震発生後、ただちにDMATを2チーム派遣しました。しかしながら過去の新潟や関西淡路大震災の時の状況とかなり違いがみられました。前者ではがれきの下で傷ついて骨折した方や、クラッシュ症候群の被災者の方が多くみられましたが、今回は周知の通り津波の被害にあわれた方が多く、溺死の方が多い状況でした。 現在、新潟県の受け入れ体制、少しずつ落ち着いて日常業務に移行しつつあります。 一時は、福島県の一般市民約12,000名(4月1日現在約9,800名)、透析患者約200名、南相馬の患者さん約200名(うち精神病患者さん20数例などを受け入れました。一部の患者さんは軽度被ばくされた患者さんがおられましたので、放射線科が中心となり、除染して新潟県下の精神病院にお預かりいたしました。 いわき市には維持血液透析患者が約1100名おり、水の供給や被ばくの危険性があるので、この方々の移動に行政同市のやり取りで2昼夜を費やしました。17日東京に約430名、新潟に161 名バスで移動させました。透析患者の中にはほぼ1週間ぶりに通常の血液透析を受けられた方がいらっしゃいました。 新潟県にはその後も個人のつてで透析患者が訪れ、一時は200名以上の患者が避難されました。バスに分乗してきた161名の患者は新潟県庁に到着後、ただちに県庁職員と新潟大学医歯学総合病院血液浄化部が中心となり県内5-6か所の病院と宿泊施設に分散させました。このうち57名が緊急透析を受けております。 いわきの復興は比較的早くライフラインが回復しましたので、これら161名のうち入院が必要な4名の患者を残して、第1陣として3月27日47名いわきに帰りました。第2陣として4月3日に帰る予定になっています。 また、原子力の問題で、新潟で出産を希望する症例も増えています。新潟大学医歯学総合病院だけで最初の1週間に3例が分娩、現在外来に5例ぐらい待っております。 現在は地震と津波の問題から原発問題になっています。少しずつ終息をすると希望的な観測をもっていますが、まだ油断できません。 このような状況でしたので、ほとんどの新潟県の公共施設、体育館がいっぱいです。 学長もこの様な状況を鑑み、卒業式、学位授与式、入学式もすべて中止しました。 3月12日に日本泌尿器科学会新潟地方会も開催する予定でしたが、会員の生命を守るため中止し、誌上発表としました。その晩、十日町地区では2回の直下型の地震があり、雪崩と家屋の倒壊、飯山線の線路も一部宙ぶらりんになりました。 現在、新潟大学医歯学総合病院は文部科学省の依頼により新潟県災害対策本部と岩手県災害対策本部と連携して県立宮古病院地区に継続的に医師団を派遣しております。医療ニーズが必要なくなるまで継続していく予定です。 岩手医科大学の藤岡教授、 東北大学の荒井教授、福島県立医科大学の山口教授、教室の皆さんお身体に気をつけてください。われわれも微力ながら支援いたします。 高橋公太 新潟大学大学院医歯学総合研究科 腎泌尿器病態学分野 教授 〒951-8510 新潟市中央区旭町通1番町757 新潟大学医歯学総合病院 総括副院長 Tel: 025-227-2284 Fax: 025-227-0784 E-mail: kota@med.niigata-u.ac.jp |
その他 投稿者:馬場志郎 投稿日:2011/04/01(Fri) 16:11 No.10 北里大学は大船渡に海洋生命科学部があり、校舎は無事でしたが学生が一名不明です。教職員にも家族に被災者が出ました。
北里大学病院から3回にわたり救援隊を派遣し、学生500名余と教職員を東京に避難させました。 東日本関東大震災で被害にあわれた皆様方に心よりお見舞い申し上げます。 またご援助できる事がありましたら声をかけていただきたいと存じます。 |
【その他】山梨大からの支援状況 投稿者:武田正之 (山梨大学) 投稿日:2011/04/01(Fri) 14:44 No.9 大きな被害を受けた岩手、宮城、福島の皆様の状況がよく分かりました。
当院からも3月18日以降、津波による壊滅的被害を受けた宮城県南三陸町へ、医師、薬剤師、看護師、事務の合計6名を1チームとして、4泊5日交代での医療支援を行っています。 医薬品、食料、ガソリン、そのほかの必要備品はすべて持参し、山梨県庁の自動車で移動しています。 荒井教授のメールの内容の通り、慢性疾患の高齢患者さんへの診療と精神的なケアが 最も必要とされています。 4月5日からは、泌尿器科医師も順次交代で支援にうかがいます。 |
【現状報告】東北大学から 投稿者:荒井 陽一(東北大学) 投稿日:2011/03/28(Mon) 14:19 No.2 東日本大地震より2週間あまりがたちました。この間、お見舞いや励ましのメールをたくさんいただきました。ありがとうございます。いまだライフラインの復活が十分ではないため生活の不便は続いているものの、私を含め東北大学泌尿器科スタッフは、皆元気ですのでご安心ください。また宮城県の泌尿器科医の無事も確認されています。
地震による被害は報道でご覧の通りで大変悲惨な状況です。犠牲になられた方のご冥福をお祈りし、ご遺族の皆様にお悔やみを申し上げます。 現場ならびに大学病院は急性期の状態から次の段階に移っています。今回の犠牲者のほとんどは津波によるもので、当初は死亡またはかろうじて避難できた軽傷者というのが特徴でした。その後、情報と交通網が回復するにつれて、避難所における呼吸器感染症、慢性疾患の増悪、ストレス性潰瘍などの救急搬送が増えています。大学病院には毎日相当数の重症患者のヘリコプター搬送が続いています。収容しきれない患者は山形県などにも搬送されています。一方、入院できても家を失ったために退院できない患者も増えており行政の対応が急務になっています。 状況が落ち着くにつれて避難所では精神的不調を来す人が増えています。絶望感だけでなく肉親や知人を救えなかった罪悪感に悩む人も多く、悲しい現実です。医療スタッフも同様で体調不良者が出ており、産業医や精神科医などから対処法などが随時発信されています。遺体の検死は個人特定のため歯形の記録が必須であり、歯学部スタッフが総出で担当しています。毎日何百という遺体の検死に当たっている若い歯科医の間にはPTSD様症状も出ており、医療者にも深刻な問題が出ています。現在、精神科医を中心にしたケアチームの体制作りが進められています。こうした慢性期には、内科医、小児科医、感染症専門医、精神科医などが求められています。 災害発生当初は「すべての医師が総合医として活動してほしい」という院長の指示で、すべての診療科から救護班を組織し、現地に派遣していました。日赤をはじめ全国の多くの大学や病院からも避難所救護の医療班が応援に入っています。今後も長期的かつ継続的な支援が必要になっており、各大学と協力体制を組み、週単位、月単位で持続的支援の体制を組みつつあります。状況が落ち着くにつれて、大学病院は被災地中核病院への重点的支援と重症患者の受け入れに専念できる体制に移行しつつあります。東北地方は、泌尿器科医が人工透析を担当する病院が多く、医局からも最大限の支援体制をとっています。19日には当院血液浄化部の献身的な働きで、気仙沼市の透析患者約100名を大学病院に一時移送し、数日後には自衛隊機で札幌まで搬送されました。おかげで現地の泌尿器科医の負担が大幅に軽減されました。しかし、気仙沼市立病院ではコメデイカルの多くが自分の家や肉親を失って帰るところがなく、病院で寝泊まりして仕事を続けざるを得ないという過酷な状況です。石巻赤十字病院も患者対応に追われていますが、食糧事情が悪く医師は炊き出しのおにぎりなどで奮闘している現状です。医局からも定期便で食料を含めた支援をしています。被災地の診療所の多くが壊滅状態になっており、被災範囲がきわめて広く地域の診療体制の再建にはかなりの時間が要すると危惧しています。 大学病院スタッフの士気も依然として高く、様々な工夫をしてネットワークを構築し支援の輪を広げています。献身的な働きに感謝です。ストーマ患者にはWOCナースらが採尿具の調達などきめの細かい活動を行っています。ただ、自己導尿など排尿管理の必要な患者の把握が困難で、心配しています。昨日より医局のある研究棟への立ち入りが許可され、研究室の片付けも始まりました。大学病院へのガス供給や医療物資の供給体制が再開され、28日より定期手術も一部再開されます。 生活物資は仙台市内でもいまだ十分ではなく、ガソリンが手に入らず買い物や通勤に支障を来しています。少しずつ状況は改善されつつありますが、まだ長蛇の列に並んで買い出しをしている状況は続いており、医局内で相互に支援しながらやりくりしています。この小さな日本で、被災地以外の地域ではなかなか想像できないかもしれません。 一方、福島原発事故の問題があり、仙台にも避難民が入ってきています。市内では「福島から来た」というだけで門前払いにする病院もあり、情報不足による混乱が起きています。すでに水や土壌汚染が徐々に拡大している様子で、福島県や近隣の農業者の今後を考えると胸が痛みます。 全国の泌尿器科医から、医師応援などの支援の申し出をたくさんいただいており、感謝申し上げます。被災地ではまたライフラインがほとんど復活しておらず、現在最も必要とされているのは、食料、寝袋、移動手段などを装備した自己完結型の医療チームです。今後、状況が落ち着くにつれた様々な医療ニーズが出てくるものと思います。 混乱は続いていますが、復興に向けて少しずつ着実に動き出しています。 平成23年3月27日 東北大学泌尿器科 荒井陽一 |
【現状報告】いわき市における透析医療 投稿者:新村浩明 いわき泌尿器科病院 投稿日:2011/03/30(Wed) 18:48 No.7 ![]() このたび東北関東大震災に遭われた皆様方、および福島第一原発事故により避難を余儀なくされた皆様方に心よりお見舞い申し上げます。この掲示板をお借りして、震災後のいわき市における透析医療の経過と現状のご報告をさせていただきたいと思います。
いわき市での震災の被害状況ですが、報道にあるように沿岸部では津波による甚大な被害を受けております。それ以外の地域では停電は免れたものの市内全域で断水となりました。国道6号線や常磐道の通行止めにより物流が遮断されました。さらに福島第一原子力発電所の事故による風評被害により、国道や常磐道の開通後も物流の障害が引き続きおこっています。 ときわ会グループにおいては、本震災によって透析設備に破損が生じ、また断水も発生したため、震災直後より透析を行うことが不可能となりました。直ちに透析機器を修復し、さらに配水車のピストン輸送で水を確保し、なんとか透析を行いましたが、震災の影響でガソリンの確保が全くできなくなり、透析患者様の送迎ならびに職員の通勤がほぼ不可能となりました。また物流が遮断されたために、医療物資や生活物資が手に入らなくなりました。さらには福島第一原子力発電所の事故により医療スタッフの一部が自主避難し、必要なスタッフを確保することも困難となりました。 以上のような事由により、いわき市内ではときわ会グループのみならず、すべての透析施設で透析医療を行うことが非常に困難となりました。そのため、いわき市の透析施設の患者様に加え原発のためいわき市に避難している富岡クリニックの患者様を、震災の影響のない他県で透析を行わざるを得ない状況となりました。そこで、ときわ会グループといわき市内の透析4施設が協力し、他県での透析の可能性を模索いたしました。 幸いなことに震災直後より多くの透析関係者様よりご支援のお声がかかり、急な申し出でのため関係各所に多大なご迷惑をおかけいたしましたが、3月17日に東京都、新潟県、千葉県鴨川市に透析患者様を避難させ透析を受けることができました。これも、多くの施設の先生方ならびにスタッフの皆様方のご支援と各行政機関の援助の賜物と心からの感謝を申し上げます。全く準備時間のない中の避難であったため、十分な患者情報の提供が出来ず、多大なご迷惑をお掛けしました事をここにお詫び申し上げます。 3月25日以降、ときわ会グループでは、いわき泌尿器科病院、常磐病院、泉中央クリニック、竹林貞吉記念クリニックの水道の復旧していただき、透析治療が可能な状態となりました。また、一般家庭の水道も急速に復旧しており、さらに常磐道の開通により生活物資の供給も始まり、透析患者様の送迎も可能な状態となりました。そのため、東京および新潟、千葉に避難されている患者様をいわきへ戻すことができるようになり、第一段として、3月27日に東京、新潟の84名の患者様をいわきに搬送し透析を行っています。第二段として、4月3日、入院されている患者様を除き、ほぼすべての患者様をいわきへ戻す予定です。その後時期を見て段階的に、入院患者および千葉県鴨川市に避難されている患者様をいわきに戻したいと考えております。 この間、ご尽力を戴きました先生方、また、快く受け入れて頂き透析施設ならびに医療スタッフ、行政の皆様方に深く御礼申し上げます。いわきに透析医療の復興の兆しが見えました事は、皆様方の絶大なるご支援があってのことと深く感じております。ときわ会グループのみならずいわき市の透析医療の復興にあたり、今後とも引き続き皆様のご支援を賜りますようお願い申し上げます。 ときわ会グループ 会長 常盤峻士 いわき泌尿器科病院 院長 川口洋 |
【現状報告】福島医大から 投稿者:福島医大泌尿器科 相川健、山口脩 投稿日:2011/03/29(Tue) 18:38 No.6 ![]() 東日本大震災後に多くのお見舞いのメールをいただきありがとうございました。
福島医大病院も今週から通常診療に戻っております。福島県内の避難所へは泌尿器科も含め大学医師による高度医療支援チームが派遣されております。 我々福島県は地震、津波の壊滅的な被害と共に皆様もご存知のことと思いますが、東京電力の原発事故が精神的に大きなダメージを県民全体に与えております。 原発20km以内の病院は入院患者すべてを県内外に転院させています。新潟など他県への搬送では当院が中継点となり玄関ロビー、看護学部棟にもベッドを置き対応しました。それらの対応には全国からのDMAT、REMAT、自衛隊の働きが不可欠でした。 透析患者は福島市、二本松市、郡山市で透析をしている多くの同門の先生方の連携と献身的働きで何とか乗り切っております。今後原発事故により帰る場所のなくなった入院患者への対応がせまられております。 福島第一原発1号機が3月12日、3号機が3月14日、2、4号機が3月15日に爆発し福島医大内にもここで働いている場合かという動揺が見られました。大学当局は3月16日原発対策で福島に来られた広島大学原爆放射線医科学研究所教授 細井義夫先生を招き、各部署の代表者を集め夜間に緊急講演会を開きました。決して楽観的でもなく悲観的でもないマスコミには出てこない先生の話に全員納得し少なくとも我々大人は心置きなくこの場で頑張れると決心できました。 基礎の先生方の協力も大きく、大学敷地内での外気放射線量リアルタイム計測値を測定画面で公表するシステムも作っております(www.fmu.ac.jp/home/lib/radiation/)。 収束の見えない原発事故ではありますが、病院・大学はこの困難を乗り越えるため団結しております。 福島県産農作物、牛乳などの風評被害がマスコミで問題とされています。 我々医師も研修医の福島県内での研修辞退などまさに風評被害が予想されています。こういうときこそ福島で頑張るぞというガッツのある先生方いましたら是非ご連絡ください。 |
【会員安否】【現状報告】岩手県の状況 投稿者:大森 聡(岩手医大泌尿器科) 投稿日:2011/03/28(Mon) 21:41 No.4 岩手医科大学泌尿器科の大森と申します。藤岡教授より岩手県の現状をお伝えするよう指示を受けました。小生が把握している岩手県の状況をお伝えします。
【会員安否】幸い岩手県内の泌尿器科の同門の先生におきましては全員が安否が確認できました。不明や死亡の報告は受けておりません。震災により病院が損壊した開業の先生もおりますが、それぞれの先生が被災地で献身的に医療を行っている状況です。 【現状報告】報道の通り震災により沿岸地域は深刻な被害を受けております。しかし、幸いにも基幹病院である久慈、宮古、釜石、大船渡の各県立病院の機能は維持されており、関係各所のご尽力・ご支援により岩手県全体の医療状況は破たんすることなく維持されていると思っております。最も過酷な状況と考えられた県立大船渡病院では一時期は医療スタッフの食事は乾パン1個という状況であったとの事ですが、現在は(過酷な状況であることは変わりないのですが)幾分落ち着きを取り戻してきている状況と聞いております。全体としては本県も急性期の状況から次の段階に入ってきていると考えます。泌尿器科領域におきましては幸い人的損失もなく基幹病院院の機能が維持されていることから県全体で大きな混乱には至っておりません。今後も県内の医療連携を維持することで乗り切っていけるものと信じております。 透析医療に関してです。震災前の県内透析患者数は約2900名でしたが現時点で確認できた県内の透析患者数は約2600名です。現在民間透析施設も含めた県内45施設中44施設が稼働しております。数年前より進めていた災害対策が功を奏したのか、沿岸地域も含め地震そのものによる透析施設そのものの甚大な損壊はありませんでした。透析不能の一施設は高田松原の施設であり、地震というより津波によるものと考えております。透析施設というハードが維持され、これに現場の医療スタッフの献身的な働きがあって急性期の混乱を脱する事が出来ました。特に民間透析施設の迅速でフレキシブルな対応には頭が下がる思いで常に行政の対応の一歩先を行っておりその底力に感服している次第です。透析物資と供給ルートの確保も関係各所のご尽力により急性期を乗り越えることができました。安定供給のめどが立ち、本日の時点で、震災後の緊急の供給体制は解除しました。今後は沿岸被災者の内陸への一時避難が検討されており、これに伴う透析患者の転院が生じてくると考えております。しかし、現状が維持できれば、岩手県の透析医療は患者の大量県外移送は回避できるだけの体力があると認識しております。 とはいえ医療スタッフの疲労もピークに達してきている時期であり、今後も皆様のご協力・ご支援なくしては成り立たないのが岩手県の現状です。何卒よろしくお願い申し上げます。 |
【その他】掲示板設置にあたって 投稿者:内藤 誠二 投稿日:2011/03/25(Fri) 20:33 No.1 このたびの東日本大震災で被害に遭われた皆様方に心からお見舞い申し上げます。
社団法人日本泌尿器科学会では、被災地域ならびに周辺地域の医療機関で勤務される学会会員の皆様の安否、活動状況などを随時、出来る限り公開する目的で学会ホームページ内に東日本大震災関連情報コーナーを立ち上げました。皆様からの近況報告、不足物品の要請などを掲載していきたいと思います。また、被災地域の患者さんや避難患者さんの治療に関して、泌尿器科領域の専門的な助言を必要とされる場合も、日本泌尿器科学会の各専門領域部会の方から可能な限り対応させていただく予定です。 なお、学会会員自らの人的支援に関しては、日本医師会からのJMATの立ち上げの通知がありました。人的支援のお志のある会員は、各位のご勤務される病院や大学を通じてJMATへの参加のご希望を出してください。医師会から応援可能な医療チームを各都道府県知事に申し入れていくことになると思います。 福島原子力発電所における二次災害も深刻な状況が続いております。会員各位におかれましてはどうかくれぐれも安全に留意され、日々の診療活動を行っていただきたいと思います。 平成23年3月24日 社団法人日本泌尿器科学会 理事長 内藤誠二 |
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