前立腺癌検診最新情報

前立腺がん検診最新情報:PSA検診受診で前立腺がん死亡率が半減

2011年2月14日

PSA検診を受診による前立腺がん死亡率の低下効果に関する最新の研究結果が、2010年8月にスウェーデンの研究グループから発表されました。

PSA検診の死亡率低下効果は、すでに2009年3月に発表された欧州での大規模な研究において、9年間の観察中に前立腺がん死亡率が20~30%低下することが明らかになっていました。しかし、この欧州の研究は期間が短いことから、真の検診効果である、PSA検診受診による生涯のがん死亡率低下効果を、低く見積もっていることが問題でした。

今回の最新のスウェーデンからの研究成果では、14年間の長期間の研究の結果、PSA検診の受診により、前立腺がん死亡の危険率が44%減少する事が証明されました。これは、真の検診効果にかなり近い結果と考えられています。

我が国では、依然としてPSA検診の普及が遅れ、前立腺がん死亡数の増加傾向に歯止めがかからない状況です。日本泌尿器科学会は、今回の最新の研究結果をふまえ、国民の皆様に、最新の前立腺がん検診に関する情報を伝え、確実に前立腺がん死亡率を低下させることのできるPSA検診を広く提供できますように、一層力を入れて参ります。

是非とも、ご自身の健康のために、前立腺がん検診や前立腺がんの特徴・診断・治療法などについてよくご理解いただいた上で、住民検診では一般的に50歳以上の方、人間ドックにおいて前立腺がん検診の受診機会がある方は、できれば40歳代からの検診受診を強くおすすめします。

(詳しくは、泌尿器科専門医にお尋ね下さい。また、最新の前立腺がん検診に関する情報が入ったパンフレットを、(財)前立腺研究財団、ブルークローバーキャンペーン運営事務局などが作成しておりますので、ご参照下さい)

社団法人 日本泌尿器科学会