理事長メッセージ


藤澤正人

 第103回日本泌尿器科学会(金沢)で新理事会が開催され、理事長に就任させて頂くこととなりました。
 日本泌尿器科学会は法人化後2年が過ぎ、会員も8200人を超えて参りました。泌尿器科は内科的要素と外科的要素とが融合した魅力ある診療科として継続的に発展してきており、基幹学会としての本学会が優れた先端的な医学研究の推進、高度な医療技術の開発と提供、優秀な泌尿器科医の育成、信頼できる地域医療の確立を目指し、国民の健康増進のため今後もさまざまな改革を進めていくべきであると思っています。まず、研究においては、その資金確保が難しくなっていく中で会員が優れた先端研究・医療を推進していくには学会としてその財源確保や研究遂行を支援していく体制作りが必須であると思います。さらに、将来的には、国内のみならず海外と連携し、グローバルな臨床試験を推し進めていくことも必要であります。一方、会員の有益な研究の情報発信の場である英文学会誌IJUは、アジアでの泌尿器科領域でのトップジャーナルとして着実にその地位を築きあげてきましたが、今後さらに発展させていくことが重要と考えます。診療においては、ロボット支援手術など泌尿器科として専門性がより高い領域とともに他診療科との境界領域において泌尿器科の存在位置をしっかりと固め泌尿器科として知識と技術の継承ができるよう若手医師を継続的に育成していく必要があります。近未来を見据えた優れた臨床医を養成する教育の質は、日本の泌尿器科診療・研究の将来を大きく左右するものであります。現在、若手医師育成に関わる専門医制度の改革の真最中ですが、学会が優秀な専門医育成のための統括母体として、大学をはじめ地域の医療機関、開業の医師と連携してより一層の力を注ぎ、優れたプログラムを構築していくべきであると思いますので皆様のご協力をよろしくお願いします。
 また、アジアをはじめとしてアメリカ、ヨーロッパの泌尿器科学会と学術交流も積極的に行われてきていますが、現在行われている若手の泌尿器科医が海外で研修や教育を受ける機会を継続的に設け、グローバルな国際人育成にも学会としてさらに取り組んでいくべきであると思います。
 さらに、泌尿器科のインセンテイブの確保にむけてしっかりした診療データベースを構築し、これらのデータを分析・評価し泌尿器科診療の現状を学会として体系的に把握して医療の質向上を推進し、患者さんに最善の医療を提供していくことも学会としての大きな責務と考えています。
 一方で、目まぐるしく変化していく医療技術、医療環境に即応し、安全・安心の医療を確保する対策を学会が主体的に構築し、それが医療現場で実践されることは、実際に医療の質を担保するうえで欠くことが出来ないものであり、安全管理体制の改善・強化にも意を払っていく所存です。そのことが、おのずと学会の信頼を高めるものと考えます。

 また、今後ますます女性医師が増加していく中、現在設立されている男女共同参画委員会を中心として継続的に女性泌尿器科医師の就労状況・環境等を全国的に調査し、将来に向け女性医師雇用推進、再雇用、就労継続にむけて泌尿器科における具体的対策にも力を入れていくべきであると考えております。
 最後に、学会の会員への広報活動を強化し、学会と会員との距離を近くし、学会員のご意見が反映されるよう理事会として学会発展のために努力して参りたいと思いますので会員の皆様方のご支援をよろしくお願い申し上げます。


藤澤 正人
神戸大学大学院医学研究科
腎泌尿器科学分野 教授

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